学生作品授業紹介
皆さん、こんにちは。
1月20日は、2020年度の卒業設計の講評会でした。
4年生は、たくさんの先生方、ゲストジュアラーを前に、4年間の学習の集大成の作品を発表しました。
コロナ対策として、ズームにて遠隔と混ぜながらの講評会となりました。 発表者と先生方は対面で、密を避けながら。その他の学生達は遠隔での視聴です。
最初の発表者は、瀬戸さん。
実際に住んだことのあるメキシコのメリダの街に、中南米の多くの人が集まり学ぶことが出来る学校を提案しました。マヤの集落にあるような、近隣の人に開いた計画で、まちに開いた学校です。地域的な材料、構法を用いて施工することができる、自分たちでも拡張していけるようなそんな学校の提案です。
将来この地区にサテライトの教室も計画されて、まち全体が学校となっていくような未来を感じさせます。センスの良さ、設計力と密度の高い提案が評価され、奨励賞を受賞しました。
橋本さんは、琵琶湖の八橋帰帆島に、運河を通し生態系を回復させる提案。
水の対流が生まれる運河を中心に、琵琶湖の生態系を回復させる機関や研究施設、また人々が琵琶湖や植生について知る博物館を設計しました。この建築を通して、近江八景のひとつの風景を取り戻したい、そんな思いのこもった提案が評価され、優秀賞を受賞しました。
佐々木さん、福岡さんの提案は、地球の温暖化で南極大陸の氷が解けて、世界が水没した未来の話。
東京新宿で、50メートル水没してもなお、山に移住せず、そこで力強く、たくましく生き続ける人々の生活を描きだしました。
世界が変わってしまっても、そこに新しい未来があることには変わらないということを再認識させてくれる提案。
2050年、温暖化で水没した新宿、その中で、一体どういう建築や場所があり得るのか、ことばとスケッチを往復を繰り返した末にできあがった建築を、図面や模型を通して体現しました。
圧倒的なドローイングで、多くの票を獲得し、今年度の最優秀賞でした。
おめでとうございます!
中島さんは、人々の生活が変わりゆくこのコロナ禍で、部屋というものの在り方、人と人との距離を問い直し、新しい住まい方の提案を試みます。
「そと」と「なか」、パブリックとプライベート、家族と個人、多拠点、、
若者らしい感性が、建築になり空間として体現された秀逸な提案が評価され、奨励賞を受賞しました。
稲垣さんは、現代の死生観、弔いについて考え、京都の東山の霊山に、散骨するための場所を提案しました。
樹木葬として、散骨された崖地に植物が成長していくという案です。
そこを訪れる遺族のための空間が強靭で同時に儚い建築によって支えられています。
その想いが熱意のこもったドローイングや模型で伝わり、優秀賞を受賞しました。
最後にゲスト三宅さんの総評。
ゲストジュアラー賞は、橋本さんに決定しました。
琵琶湖の植生をとりもどしていこうという未来への希望を感じる点と、その植生豊かな美しい空間が評価されました。
また、今年度は、長年精華建築で教員をつとめてこられれた新井先生が退官されます。(新井先生、長い間お疲れさまでした!)
その記念としての特別賞、新井清一賞は、佐々木さん、福岡さんに贈られました!自らの考えや手法を4年間、信念をもって貫き通したことが、新井先生に評価されました。
4年間という歳月をかけて、学んだこと、身に着けたことを生かしながら、それぞれの思いを建築という形をとおして体現した素晴らしい提案ばかりで、心を打たれる力作ぞろいでした。
卒業生の皆さん、4年間、本当にお疲れ様でした。
卒業後の皆さんの活躍にも期待しています。
記録動画です。長いです。。。。