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固い課題 と 柔らかい課題

学生作品授業紹介

「即日設計」

久しぶりに復活しました。

1週間前に課題の建築条件内容を掲示し、当日敷地を渡して5時間後に手描き図面を提出します。今年から全学年同日同時間で実施することにしました。

課題内容は超固い「2級建築士実技試験」の少しだけ簡単バージョン。

2年生の実習室。時間との勝負なので、みな必死に机にかじりついています。

結果、120人いる全学生の中で、合格したのは20人。1年生は8人、4年生は1人。普通に考えたら4年生のほうが図面力は上のはずなのに。不思議な結果です。

11月、12月にも実施するので、今回を含めた3回の中で1回は合格しなければ、学生たちは進級・卒業することはできません。3回の中で図面の描き方を復習し、時間内にまとめて描き上げる「固い」力を身に着けてほしいと思います。

 

一方、2年生後期設計製図の第1課題は、「新しい風景をつくる」。

既存の風景画や写真を選び、その中に「人工物」を挿入し、新しい風景・不思議な見たことのない風景をつくるという、想像力と創造力を鍛えることを目的とした課題に取り組んでいます。

日本で こんな自由な建築設計課題やっている建築学科は、 たぶん、ないでしょうね。。。

ロンドンのAAスクールではありそうですね。

ところで、この課題を建築士受験資格認定権限を持っているる国土交通省は理解してくれるでしょうか。

大丈夫です。このイメージ画は、これから建築になっていくので。

 

たぶん。

なにかわけがわからない風景。

雪原に横たわる薄青い塊。

山谷にそびえる塔。

山間に点在する建築。

参照したのは、ガスレンジの鍋を乗せる台。

地球を一周する直線建築。

管楽器のマウスピース。

京都市役所と地元の方には、絶対に許してもらえないであろう暴力的な構築物。でも、こうした伝統的街並みの中での異化された建築は、ウィーンやパリでは実在しています。

 

各自6枚を3週間で制作し、その中の1枚を選んで、「建築として」設計します。

 

建築士資格取得のための「固い」表現力と、セイカ建築の伝統を引き継ぐための「柔らかい」想像力。

両方共に大事な、建築的構想力の基礎。

 

 

「面白いね。みんな、自由でいいねぇ!」

「先生のほうが自由でいいですよ。もう、しんどい時期が終わってるから。今は楽しいだけでしょ。」学生の言葉。

「確かに今は楽しいし、学生の時もしんどくて先が見えなかったけど、その時はしんどくても楽しかったよ。自分が新しい建築をつくるんだ!って思ってたから。」

 

粘り強く頑張って、固い力も柔らかい力も両方ともに 楽しみながら自分のものにして欲しいと思います。

 

しんどいけど。。。

 

 

posted date 2018.10.13
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