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伝統建築を学ぶ

授業紹介

セイカ建築学科の特徴の一つは、京都の伝統建築から学ぶこと。せっかく古都京都にある建築学科なので、世界遺産を含む多くの伝統建築を生きた教材として、先達の知恵と美意識を、実際に見て感じる学びです。

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本年度は、「大徳寺に学ぶ」。大徳寺境内の多くの塔頭の修理修復を手がけられてきた、建築家の才門先生の指導で、未公開寺院を含めて土曜日の午後に見学学習を行っています。

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この日は、大徳寺玉林院を見学。実際の空間に身を置いて、自分の目と耳と肌で、建築構法、材料、ディテール、光など、確かめながら学びます。

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霞床席。四畳半の茶室の床の間。杉丸太の柱に框はすす竹を使い、書院と草庵の融合を図っています。違い棚は壁から離れた片持ちの妙技。

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蓑庵のにじり口と窓。その名の通りに蓑が壁の表情をつくっています。

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写真で露出を変えるとこのように見えますが、やはり人間の目で見た暗さに魅かれます。

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茶室見学を終えて、庭を眺める学生達。3,4時間見学すると、本当の日本の建築に包まれた満足感があります。

 

次は、日を改めて、同じく大徳寺塔頭の瑞峰院に。1

 

 

 

 

毎回、入場する前に、寺院についての説明を受けます。

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この日は、座敷でお茶をいただいた後に、本堂で座禅を経験。生まれて初めて経験する学生がほとんどでした。

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庭園は、重森三玲の作。波が高めの枯山水式庭園。石組みのバランスが絶妙です。

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ここには、「安勝軒」という茶室の他に、平成になって再現された利休の「待庵」があります。一般には公開されていませんが、才門先生に尽力いただき、大学の授業という事で特別に見学させていただきました。5

 

 

 

写真では、この空間は伝わりませんね。

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少し、感度を上げると様子がわかります。壁に出ている錆が表情をつくります。全体として物理的には狭いはずなのですが、包まれた中にしばらくいると、大きく感じるので不思議です。スケール、材料、構成のすべてによる調和がもたらしているのでしょう。

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窓の意匠。学生たちは、それぞれ何かを感じ取ってくれているはず。

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始めて経験した究極の茶室空間は、かなりの興奮と集中を要したのでしょう。

見学後に凛とした座敷の中で、おもむろに「エアー囲碁」を始めだした学生達。

 

このような貴重な経験を、いつかどこかで思い出して、設計に生かして欲しいと願います。

次回は、最終回の真珠庵の見学です。

posted date 2016.01.30
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