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新しい風景

学生作品授業紹介

2年生の後期、必修科目の設計課題では、入学して初めてぶつかる、「建築とは何か」を考えるトレーニングを行います。

 

「風景に人工物を挿入する」

 

建築は物理的なモノとして現前する。と思われがちですが、現前する以前でも、「建築的なイメージ」や、「建築的な風景」はあるので、それをつくる訓練、建築的な感性を鍛えるための課題です。

なにをもって、「建築的である」と判断できるのか。

あまりにも難しい問題なので、学生がつくったコラージュを前にして、学生と教員が一緒になってあれこれ議論、対話をしながら模索します。

 

以下の3課題は、都会の風景、漁村の風景、スケールのない架空の風景(火星)へ、建築を描きこむ作品です。

 

次は漁村

 

次は、火星

 

火星風景には、上から、ホッチキス、カヌーの背面、インクペンのペン先、ホッチスの針、オカリナ、パソコンのマウス、水中メガネ、包装用のプチプチ、ジッポーライター、長靴。 です。

2年目になる課題ですが、昨年の「何をしていいのかわからない」混乱を少しでも抑えるよう、背景の風景条件を絞っています。結果、半分以上の学生たちは課題の主旨を理解し、面白いコラージュをつくってくれました。

次回は自分で風景を探して、その中に人工物を挿入し、新しい風景をつくります。

そして、その後に、きちんと建築の設計をします。

 

課題途中の経過ですが、学生と教員と一緒に考えながら、(学生は悩み苦しみながら?)の制作になっていると思います。

 

今日の2年生の学生作品=44枚の作品を見ながらの、

「何が新しい建築の風景なのか」

44人の学生達と、津田先生、八木先生と考えること=新しい建築風景の研究・実験の時間は、充実・充電した時間になりました。

 

しかし、インク ペン先には驚きました、「ペン先」に注目し、上手に与えられた風景に埋め込んだセンスに脱帽です。

未来のモアイ像。

インクをペン先に流すために考案された実用的な曲線が、自然の風景に溶け込み、なじむことを、一体だれが想像できたでしょうか。新しい発見だと思います。

 

でも、この発見は、デザインの「特許」にはならないでしょうね。残念ですが。。。

 

 

ともあれ、新しい風景を見た瞬間、感じた瞬間は、心がリセットされたようで清々しいです。

 

posted date 2019.10.25
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