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全学共通教育

授業紹介

建築学科の学生は、建築だけの勉強をしているわけではありません。建築専門科目80単位以上のほかに、44単位(22個の授業科目くらい)以上の、全学共通教育科目を学びます。

そのひとつは、1年生のはじめに必修で全員が集まる「大学入門」。4日間の集中授業です。

800人を超える同級生たちが一同に集まって体育館で作業したり、6つの会場に分かれたり、1チーム5人でのグループ活動を行います。所属学部学科を解体して所属や国籍が混成した、「180グループ」に分かれます。

初日はグループで大学キャンパス内を3時間ほど散策して、大学を発見する課題に取り組みました。ようやく大学に慣れてきた1年生が、初めて出会う他の学部コースの同級生とチームを組んでの活動。

楽しんでもらえた様子です。

とりわけ、建築学科の面白さが伝わったようで安心です。他のコースの学生もどんどん建築学科に遊びに来て欲しい、と呼び掛けました。木工作業を行う、究明館は全学の学生に開放していることをアナウンスしました。訪問した学生達は、目を輝かせてくれました。

「建築の可能性を見た」とのこと。

 

一方、3年生での「コラボレーション実習」では、学部学科コースの違う学生が集まって、プロジェクトを行います。

前期に取り組むこの実習のタイトルは、「台所プロジェクト」。

ビジュアルデザイン学科の豊永先生がリーダーです。

 

学内のある教室を「台所=キッチン」を核にしたリノベーションを行って、学生、教職員、地元地域の人たちが集まる場所をつくります。実際に夏以降に、セルフで教室のリノベーションを行うことが前提のプロジェクト。

学生10名が集まって、アイデア出しのブレインストーミング。内、4名は建築学科の学生です。

無数に出されたアイデア、やってみたい事を整理していきます。

整理しながら、情報を集めたり、

種を植えて、食物をつくるところから始めたり、

世話をすることも大事です。

大学の近所の川辺で、「はこべ」を採取してきて、葉っぱを取ります。

はこべは、春の七草の1つです。

ミキサーで、オリーブオイルとピーナッツとにんにくと塩コショウを混ぜて、スパゲティソースを作ります。

ついでに、スープもつくります。

で、自然の恵みをいただきます。すこし苦みが残りますが、美味しくいただきました。

 

自然に生えている食物を採取したり種から育てる事。電気やガスなどのエネルギーインフラがなくなった災害時でも、自分たちでエネルギーをつくって生きていける事、家具什器をデザインし自分たちで作る事。インテリア空間を自分たちでリノベートできる事、

自分の人生を、自然に感謝し大事にしながら、丁寧に生きていく事、などを学ぶ実践的な内容です。

アカデミックなサバイバルゲーム を、しているような授業です。

 

贅沢なことは、この実習の担当教員。ビジュアルデザイン、陶芸、建築コースから 4名もいます。

全学の授業科目の中で最も貴重な恵まれた授業かもしれません。

すでに2週間たちましたが、毎回集まる木曜日と金曜日午後の2日間は学内での3時間の「短時間合宿」しているような雰囲気になっています。

他コース学生との協働作業=コラボレーションを通して、専門以外のことを学ぶ機会になっています。もちろん、教員同志も同様で、楽しみながら、刺激を受けながらの学びあう機会です

 

学生たちも教員たちも、笑いながらの、遊びながらの時間を過ごします。 

(一応、授業ですが。)

種を植えた1週間後。

早くも、ブロッコリーの芽が出ました。

 

めでたいです。

学生たちも野菜たちも、同じ時間を共有するチームとして、強くたくましく、ついでに楽しく育っていくことでしょう。

 

今、突然 思い出しました。

かつて、立体造形コースにおられた、小林陸一郎先生の言葉。

 

「教育は農業だ。」

posted date 2019.04.25
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