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メキシコ🇲🇽建築視察ツアー2025

その他

昨年、2025年夏の建築視察ツアーの様子をお届けします。

このツアーは、コロナ禍でしばらく実施されていなかったセイカ建築視察ツアーが、昨年度から再開したものです。今回はメキシコを訪問し、メキシコシティ、オアハカ、カンクンの3都市を巡り、ルイス・バラガンをはじめ、リカルド・レゴレッタやマウリシオ・ロチャの建築を中心に見て回りました。

教員の川上聡先生にとって、メキシコは12年間働いた「第二の故郷」
川上先生のガイドのもと、学生・教員・卒業生あわせた最大19名のチームで、都市と建築を体感する旅となりました。中南米は、参加者のほぼ全員にとって初めての土地。
目の前に現れるスケール、色、光の強さに、到着初日から圧倒される日々でした。

本記事では、今回の建築視察ツアーで訪れた建築や都市の様子を、写真とともにレポートします。

 

関西空港から出発し、カナダで乗り継ぎ、移動に丸一日かかりました。

メキシコシティへの到着は深夜になりましたが、早速川上先生オススメのタコス屋さんへ向かいました!

メキシコシティは非常にスケールの大きな都市で、短い滞在の中でも見どころが尽きない場所でした。見どころがたくさんあり、川上先生のガイドでたくさんのスポットを巡りました。

 

1日目|メキシコシティ-古代遺跡を巡る

テオティワカン

メキシコシティ近郊に位置する、テオティワカン遺跡を訪れました。

広大な敷地にピラミッドや大通りが連なり、そのスケールの大きさにまず圧倒されます。

今回のツアーには、卒業生で今年度の客員教授でもある進藤さん、山本さんも参加しており、学生・教員・卒業生が混ざった個性豊かなチームでの視察となりました。

国立人類学博物館

午後は、メキシコシティに戻り国立人類学博物館を見学しました。
アメリカ大陸最大級の博物館で、ペドロ・ラミレス・バスケスの設計による建築です。

中庭中央に立つ巨大な柱と、それに支えられた大屋根が強く印象に残ります。
スケールの大きな空間でありながら、人の動線や展示との関係が整理されており、
長時間の見学でも疲れにくい構成になっていると感じました。

2日目|メキシコシティ-大学と公共建築

 

メキシコ自由自治大学

2日目の午前はメキシコ自由自治大学(UNAM)を訪れました。
建築学科の Lilia Barraza López 先生 に案内していただき、広大なキャンパスを見学しました。

カラフルな石のモザイクで覆われた図書館。先スペイン期から現代までのメキシコの歴史を描いています。

建築学科が入った校舎。開放的な廊下です。

Lilia Barraza López先生、ありがとうございました!

エスパシオ・エスクルトリコ

UNAM内にあるエスパシオ・エスクルトリコも見学しました。

溶岩石に囲まれた円形の空間は、人工物でありながら強い原始性を感じさせます。

 

人間のスケールが小さく感じられます。

バスコンセロス図書館

メキシコシティ出身の建築家、アルベルト・カラチ設計のバスコンセロス図書館を訪れました。
内部に入ると、吹き抜けの大空間に書架が立体的に配置され、空中に書架が浮かんでいるようです。

3日目|メキシコシティ-近代建築に触れる

シネテカ・ナシオナル(チャプルテペック映画館)

マウリシオ・ロチャ設計の映画館です。大きな屋根に覆われた半屋外空間と、その下に広がるパブリックな場が特徴的な建築です。

 

トラルパン修道院

トラルパンにあるルイス・バラガン設計の修道院を見学しました。
内部は撮影禁止のため写真は残せませんが、その分、空間の印象が強く記憶に残っています。この旅で一番良かった建築に名前を挙げる学生も多くいました。

光の入り方や壁の色、静けさが際立ち、
外の喧騒から切り離されたような感覚を覚えました。

プリエトロペス邸 

バラガンの初期の代表的な住宅作品のひとつです。

溶岩石の地形を活かした敷地と、室内外が連続する構成が特徴的です。

住宅でありながら、庭や外部空間との関係が非常に豊かで、
自然と建築が密接につながっていることを実感しました。

天井高が高く開放的なリビングルーム。

火山岩の地形をそのまま生かしたお庭が特徴的です。

ディエゴ・リベラとフリーダ・カーロのスタジオ

オゴルマン設計、ディエゴ・リベラとフリーダ・カーロのスタジオを見学しました。

二人の生活と制作の場が、独立した建物として構成されている点が印象的です。

 

サボテンの柵がとってもメキシコ的!

開放的な折窓

3日目の夜は松本先生のお勧めでルチャ・リブレ(メキシコプロレス)を観戦しました!

会場の熱気や観客とリングの距離感に大興奮した夜でした。

4日目|メキシコシティ-バラガン建築をめぐる(1)

オルテガ邸

ルイス・バラガン設計のオルテガ邸を訪れました。

外部と内部の移り変わりが印象的な住宅建築です。

高い壁に囲われたお庭は、多種多様な植栽に彩られ、静かで落ち着く空間でした。

室内照明は少なく、大きく開いた窓から採光を取ります。

ヒラルディ邸 

バラガン建築の中でも鮮やかな色彩と光の取り入れ方が特徴的な住宅建築。水盤のある空間は特に印象的でした。

4日目の夜はみんなでスーパーに買い出しに行き、宿泊しているアパートで自炊パーティーを行いました。

メキシコらしく、アボカドをたっぷり使ったワカモレを作りました。

同じテーブルを囲んで食事をし、おしゃべりをする時間も視察ツアーの大切な体験のひとつです。

5日目|メキシコシティ-バラガン建築をめぐる(2)

ルイス・バラガン邸 

バラガン自身が暮らした住宅であり、

現在はユネスコ世界遺産にも登録されている建築です。

 

外観は驚くほど静かで、周囲の街並みに溶け込むように佇んでいますが、

一歩中に入ると、光と色、静けさによって構成された独特の空間が広がります。

 

シンプルな外観

強い色彩を用いながらも、決して派手ではなく、

光の入り方や壁の重なりによって、空間が丁寧に制御されているのが印象的でした。

リカルド・レゴレッタ事務訪問

午後はレゴレッタ建築事務所を訪問しました。この訪問は、今回のツアーを引率してくださった川上聡先生が、かつてこの事務所で働いていたご縁によって実現しました。

 

他のレゴレッタ作品でも印象的なピンク色がふんだんに使われた壁面

先生がかつて働いていた場所を、今度は学生や卒業生とともに訪れるという時間そのものが、建築を通した世代や国境を越えたつながりを感じさせる体験でした。

メキシコシティでは、

ルイス・バラガンをはじめとする近代建築から、大学、博物館、都市空間まで、多様なスケールの建築を短期間で集中的に巡りました。

 

強い色彩や壁による空間構成、光や庭を通してつくられる静けさ、そして都市の喧騒と隣り合いながら成立する建築のあり方は、図面や写真だけでは理解できないものでした。

 

6〜7日目|オアハカ

メキシコシティを離れ、国内線でオアハカへ移動しました。

これまでの建築視察中心のスケジュールから一転し、ここからは自由行動を交えながら、街や風土そのものを味わう時間になります。

 

オアハカは、先住民文化が色濃く残る街で、メキシコシティとはまた違った時間の流れを感じさせます。カラフルな街並みや石造の建物、ゆったりとした空気感が印象的でした。

 

市街地とブーゲンビリアの花

旧市街でのカフェでの朝食タイム

市場でお買い物 カラフルな小物がたくさんあります!

郊外にあるモンテ・アルパン遺跡

高台に広がる遺跡群からは周囲の山並みと空が一望できます。

イエルベ・エル・アグア

石灰岩が長い時間をかけて形成した天然の景観を目にしました。

自然が生み出した形やスケールに、ただ圧倒される時間でした。

8〜9日目|カンクン

8日目はカリブ海沿岸のリゾート地、カンクンに移動しました。

カンクンは観光都市として計画的に開発されたエリアです。

高層ホテルが並ぶ海岸線と、ターコイズブルーの海のコントラストが印象的でした。

 

レゴレッタ設計のホテルに宿泊。カリブ海を一望できます。

東京まで12000km!

プールも楽しみました。

みんなで夕食。旅も終盤に差し掛かり、メンバーの絆も深まりました。

カリブ海沿岸に位置するトゥルム遺跡に訪問しました。

トゥルムは、後古典期に築かれたマヤ文明の城塞都市で、海に面した断崖の上に遺構が広がる、非常に珍しい立地を持っています。

敷地内にはイグアナがたくさん!

10日目|メキシコシティ

旅の最終日、メキシコシティに戻ってきました。

レゴレッタの代表作・カミノレアル ポランコに宿泊しました。

 

エントランスの特徴的なピンクの格子が目に飛び込みます。

美しい受付!

客室はパープルの絨毯でシックにまとめられています。

川上先生いなくして今回の視察ツアーは実現しませんでした。ありがとうございました!

今回のメキシコ建築視察では、住宅、公共建築、大学施設、都市空間、さらには遺跡や自然環境まで、多様なスケールの空間を横断的に体験することができました。

図面や写真からは読み取りきれないスケール感や光の変化、素材の質感を身体的に体験できたことは、今後の設計課題や研究活動にとって大きな糧となりました。

今回の視察で得た視点を、今後の制作・研究活動にどのように還元していくかが、これからの課題です。

本ツアーでの経験を糧とし、それぞれの設計や思考の中で発展させていきたいと思います。

 

 


posted date 2026.03.05
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